真夏の運動会や屋外イベントで撮影していると、突然カメラに「カメラ過熱のため電源をオフにします」という警告が出ることがあります。
レンズの先では、今まさに絶対に撮り逃したくない瞬間が起きている。
なのに、カメラはうんともすんとも言わない。
……あれは焦る。
わたしも実際にα7 IVを熱停止させたことがありますが、あの瞬間の「今かよ!」感はなかなかのものです。
ただ、ここで焦ってカメラを急激に冷やそうとするのはおすすめしません。
特に、キンキンに冷えた保冷剤を直接当てるような方法は、温度差による結露を起こす可能性があります。
カメラが止まったときは、まず落ち着いて熱を逃がす。
今回は、α7 IVが熱停止してしまったときの復旧手順と、夏の撮影でできる熱対策をまとめます。
1. 【緊急対応】α7 IVが熱停止した時の復旧手順
撮影中にカメラが止まってしまったら、まず無理に動かそうとしないこと。
基本は「電源を切る → 日陰へ移動 → できるだけ熱を逃がす」です。
ステップ①:電源をOFFにする

まずは電源を切ります。
熱停止している状態で何度も電源を入れ直したり、シャッターを切ろうとしたりしても、冷えるわけではありません。
「頼む、もう一回だけ……!」
と言いたくなる気持ちは分かる。
わたしも言いたくなる。
でも、そこは我慢。
カメラにも休憩時間をやってください。
ステップ②:バッテリーを外す
電源を切ったら、必要に応じてバッテリーを取り外します。
撮影直後のバッテリーはそれなりに熱くなっていることがあります。
バッテリーを外しておけば、少なくともカメラ側の発熱源をひとつ減らせます。
SDカードについては、アクセス中でなければ取り外して構いませんが、書き込み中に無理に抜くのはNGです。
撮影データがある場合は、こちらのほうが大事。
ステップ③:液晶モニターを開いておく
α7 IVはバリアングル液晶なので、背面モニターを開いて本体から離しておきます。
少しでも本体周辺に空気が流れるようにしておく、という考え方です。
端子カバーについても、必要以上に閉じ込めておくより、風が当たる環境なら開けておくほうが放熱には都合がいいでしょう。
ただし、屋外で砂ぼこりや雨などがある場合は、むやみに開けっ放しにしないほうがいい。
「放熱のためにカメラを砂まみれにしました」
では本末転倒です。
ステップ④:直射日光から逃がす
これ、かなり大事です。
同じ気温でも、直射日光が当たっているカメラと日陰に置いたカメラでは条件がまるで違います。
木陰、テントの下、日傘の影など、とにかく直射日光を避ける。
わたしが熱停止したときも、まずこれをやりました。
カメラを冷やす前に、これ以上熱くしない。
まずはここからです。
ステップ⑤:風を当ててゆっくり冷やす
日陰へ移動したら、風を当てて放熱を助けます。
ポータブル扇風機でもいいし、うちわでもいい。
要するに、カメラ周辺の熱い空気を動かしてやるわけです。
可能なら風通しの良い場所に置いて、しばらく待つ。
焦って急速冷却するより、このほうが安全です。
️ やってはいけない冷却方法
ここは覚えておいてください。
熱くなったカメラに、いきなり冷たいものを直接当てない。
- 氷を直接乗せる
- キンキンに冷えた保冷剤を密着させる
- コールドスプレーを吹き付ける
- 冷蔵庫や冷凍庫に入れる
こういった急激な冷却は、内部や外装との温度差によって結露を起こす可能性があります。
特に夏場は、外気が高温多湿です。
「早く冷やしたい」という気持ちは分かりますが、カメラを壊してしまったら元も子もない。
ここはじっくりいきましょう。
2. 【事前設定】α7 IVの熱停止を少しでも防ぐ設定
熱停止を完全に防げるわけではありませんが、撮影前に確認しておきたい設定があります。

①「自動電源OFF温度」を「高」にする
α7 IVには「自動電源OFF温度」という設定があります。
長時間撮影する場合は、これを「高」にすることで、カメラが許容する温度の設定を変更できます。
設定場所は、
MENU セットアップ 電源設定オプション 自動電源OFF温度 高
です。
ただし、ここはひとつ注意。
「高」にしたから熱停止しなくなるわけではありません。
あくまで熱停止までの余裕を増やすための設定です。
カメラ内部が高温になること自体は変わらないので、真夏の炎天下で延々と撮影していい、という免罪符ではありません。
むしろ「高」にしたときほど、カメラの温度には気を配ったほうがいいと思います。
② バリアングル液晶を少し開いておく
撮影中、液晶を本体にぴったり閉じたままにしておくより、少し開いておくほうが背面側に空気が流れやすくなります。
大きな違いではないかもしれませんが、夏場はこういう小さな積み重ねが結構大事。
わたしは暑い時期には意識して液晶を開けています。
③ 撮っていないときは電源を切る
これも地味ですが効きます。
移動中や待機中までずっと電源を入れっぱなしにしていると、それだけカメラは仕事をし続けることになります。
撮影していないなら、一度OFF。
次の競技まで時間があるなら、ちゃんと休ませる。
人間だって休憩なしで炎天下を走り続けたら倒れるんだから、カメラだって休ませてやりましょう。
3. 夏の現場に持っていきたい熱対策グッズ
① ポータブル扇風機
個人的には、かなり使いやすいアイテム。
撮影後のカメラに風を当てるだけでも、放熱を助けられます。
もちろん自分にも使える。
というか、たぶん人間のほうがありがたい。
② 日傘・簡易シェード
カメラを直射日光から守るだけでも違います。
撮影中はどうしてもカメラを外に出すことになりますが、待機している間だけでも日陰に入れておきたいところ。
可能ならテントや屋根のある場所を使う。
なければ日傘でもいい。
「冷やす」より先に「熱くしない」。
夏場はこれを意識しています。
③ 白いタオル
黒いカメラボディは、直射日光を受けるとかなり熱くなります。
待機中にカメラを日陰へ置けない場合は、白っぽい布などで直射日光を遮る方法もあります。
ただし、カメラを完全に包んでしまうのは逆効果。
熱を閉じ込めないよう、ふんわり日差しを遮る程度にしておきます。
④ 予備バッテリー
これは直接的な冷却グッズではありませんが、夏の撮影ではかなり重要。
熱停止したカメラを無理やり復活させようとするより、予備ボディがあるならそちらへ切り替える。
予備ボディがなければ、予備バッテリーを用意しておくだけでも安心感が違います。
⑤ 予備カメラ
仕事なら、可能であればこれが一番安心です。
熱停止そのものを防ぐアイテムではありません。
でも、「一台止まっても撮影を続けられる」という意味では、これ以上強い対策はありません。
カメラマンにとって一番怖いのは、カメラが壊れることそのものより、撮らなければならない瞬間に撮れないことですからね。
4. 実際に熱停止したとき、どのくらい待てばいい?
これは「○分待てば必ず復活する」というものではありません。
気温、直射日光の有無、撮影方法、カメラの状態などによって変わります。
わたしの場合は、日陰へ移動して電源を切り、しばらく冷ましてから再起動しました。
感覚としては15分ほど。
無事に電源が入り、撮影データも問題ありませんでした。
ただし、ここは時間だけを目安にしないほうがいい。
「15分経ったから電源ON」ではなく、「十分に温度が下がったと思ったら確認する」くらいに考えてください。
まだ本体がかなり熱いなら、もう少し待つ。
再び警告が出るなら、さらに休ませる。
それでも改善しない場合は、撮影を続けるより修理・点検を考えたほうがいいでしょう。
5. 真夏の撮影では「人間の熱対策」も忘れない
ここ、カメラの記事なのに何を言ってるんだと思われるかもしれませんが、かなり重要です。
炎天下で撮影していると、カメラマン自身も普通に危険です。
水分を取る。
日陰に入る。
帽子や日傘を使う。
適度に休む。
必要なら撮影を誰かに交代してもらう。
カメラを守ることばかり考えて、自分が倒れたらどうにもなりません。
それに、暑さで集中力が落ちると、ピントや構図のミスも増えます。
「カメラが熱停止する前に、わたしが熱停止してどうする」
という話です。
まとめ:夏の撮影は「冷やす」より「熱くしない」
α7 IVの熱停止は、現場ではかなり焦ります。
でも、そこで慌てて急激に冷やすのではなく、
- 電源をOFFにする2.直射日光から避難させる3.バッテリーを外して、熱を逃がす4.風を当ててゆっくり冷やす5.十分に冷えてから再起動する
という流れを覚えておけば、いざというときに少し落ち着いて対応できます。
そして撮影前には、
- 「自動電源OFF温度」を「高」にする液晶を少し開いておく待機中は電源を切る日陰や日傘を活用するポータブル扇風機を用意する予備バッテリーを持つ可能なら予備ボディも用意する
このあたりを意識しておくと安心です。
真夏の撮影は、カメラにとってもカメラマンにとってもなかなかの修羅場です。
だからこそ、無理をさせない。
カメラが止まったら、一度深呼吸。
「お前も暑いよな。分かる。わたしも暑い」
くらいの気持ちで、まずは日陰へ。
大事な撮影だからこそ、機材も人間も最後まで生き残る。
それが一番です。

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